カバーストーリー: 2007年09月01日
トピック: その他

生き生きとしなやかに働き続けるために。「Women’s Summit Tokyo 2007」開催!

働く女性たちが交流しながら学び合うための「Women’s Summit Tokyo 2007」が、2007年8月6日に東京・品川のホテルラフォーレ東京で、日本HP主催により開催されました。日本HPを含む約20社の女性社員およそ300人が参加。ビジネスリーダーとして活躍している女性ゲストスピーカーの考え方を聞いたり、参加者同士でキャリアや働き方に関する意見を交換したりと、活気ある交流が行われました。



女性が活躍する社会実現の第一歩へ

開会には日本HP取締役副社長執行役員の岡隆史が挨拶に立ち、開催主旨を説明しました。HPは、多様な社員が各自の能力を発揮することで世界中の顧客に最高の価値を提供できると考えており、多様性を追求するダイバーシティ(diversity)を人材戦略に取り入れています。日本HPはその中で女性の活躍を後押しする3カ年計画をスタートし、今回のサミットはこの第一歩として位置づけられています。

岡は「日本が発展していくには、女性が活躍できる社会の実現が不可欠であり、女性にとって働きがいのある環境を整えていくためにも、今日のサミットがHPという一企業の枠を越えて、多くの企業で働く女性たちがネットワークを広げ語り合える場になってほしい」と述べました。



基調講演 ~ 南米チリの地元銀行からグローバルカンパニーへ

次いで、米国HP本社の人事トップであり上級副社長のマルセラ・ペレス・デ・アロンゾが基調講演を行いました。ペレス・デ・アロンゾは、世界中に多数の拠点とさまざまな顧客を抱えているHPには、多様な人材が必要であること、その一環として女性の活躍を支援しており、HPにおける女性の重要性も増していることなどを述べました。「HP本社の役員9人のうち3人は女性であり、そのうちの一人は優れた女性トップ50人の一人として2年連続で経済誌に推薦されている。いずれは日本でもHPを率いる女性が現れることを期待したい」と述べてから、HPにはキャリア開発を行う枠組みや多様な学習ソリューション、参加型のプロジェクトなどがあるので、HP社員はこれらを生かしてキャリアを開拓していってほしいと言及。

続いて自身のステップアップの経歴を披露しました。南米チリの田舎町に生まれたペレス・デ・アロンゾは、大学卒業後、地元の銀行に就職。その7年後にはシティ・バンクに移り、能力を発揮してシティグループ・ラテンアメリカ北部のリテール部門責任者に就任。さらにグローバル・コンシューマー・ビジネスの人事担当者となって数々の成果を出してから、2004年にHPの現職になりました。ステップアップを続けてこられたのは、「努力を惜しまずいつもベストを尽くすエネルギー」と「学習に対する情熱」「リスクを取る勇気」があったこと、さらに「背中を押してくれたメンターでもある上司をがっかりさせたくなかった」ことや「家族が私を信じサポートしてくれた」ことにあると説明し、「私ができたことだから、みなさんにもできる。待ちの姿勢ではなくキャリアを求めて自分の役割を自発的に果たしてほしい」と会場の参加者に力強いメッセージを送りました。講演後は、会場からキャリアマネジメントや働き方に関する質問が上がり、講演者との応答は時間いっぱいまで続きました。



パネルディスカッション ~ 大切なのは周囲のサポートを受ける姿勢

パネルディスカッションは「個のリーダーシップで自分らしいキャリアを築く」ために何が大切なのか、ビジネスリーダーとして活躍する女性パネリストがコメントするかたちでに行われました。外資系金融機関での人材開発経験が豊富なアキレス美和子氏(住友スリーエム株式会社 人財・組織戦略部長)は、「自分のキャリアにとってチャンスとなるような仕事を頼まれたとき、周囲に協力してもらうよう動くこと、支えてくれた人にはきちんと感謝の気持ちを伝えることが大切」と発言。調理のソフト技術者から売上400億円超の事業部門の責任者となった宮井真千子氏(松下電器産業株式会社 クッキング機器ビジネスユニット長)は、「目標を持ち続ける、自分で考え責任を取る、相手の立場になって考える」という自身のモットーを述べ、「仕事で結果を明確に出すことを心がけた。

しっかり準備すれば相手は理解してくれるし、周囲も変わってくる」ことも付け加えました。女性の活躍を推進する定塚由美子氏(内閣府 男女共同参画局推進課長)は女性の社会進出が遅れている日本の現状に触れ、役所という男性社会で働いてきた自身の経験から「人に自分から声をかけて情報を集める、先輩女性に聞きに行った」など、自分のためのネットワークづくりの重要性を話しました。日本HPの前田通子(パーソナルシステムズ事業統括ボリュームオペレーション本部本部長)は、「自分ができないことを人にやらせない。また、すべての仕事はスタッフと一緒に考えてやっていく」とコメントしました。

パネルディスカッションのモデレーターを務めたNPO法人GEWEL副代表理事の佐渡アン氏は、4人の発言から「ポジティブマインドとチャレンジ精神を持ち、職場のチームや家族から上手にサポートを受ける」ことが共通していると指摘し、最後に「5つのP」を挙げ、「Passion(情熱)、 Purpose(目的)、 Patience(忍耐)、 Profession(専門性)を持つことで、女性が素晴らしく輝けるキャリアの上でのParadise(楽園)が訪れる、とまとめました。



ネットワークグループ紹介 ~ 活躍する4つのネットワーク

ランチタイムには、ワークショップのためにグループ別に配置し直されたテーブルに参加者が着席。昼食をとりながら、各チームで交流が図られました。午後は、働く女性たちのネットワークを支援する4グループとその活動内容が紹介されました。女性技術者のネットワークを推進する日本技術者フォーラムの委員長・菅原香代子氏(日本アイ・ビー・エム株式会社ソフトウェア)、女性のキャリアアップを支援するアクセンチュアWomen’s Initiativesの高久真理子氏(アクセンチュア株式会社)、女性が生き生きと働ける職場を作るために活動するNTTデータワークグループの増渕絢乃氏(株式会社NTTデータ)、日本HPのWAWJ女性社員ネットワークグループの代表・高野澄子氏(日本HP株式会社)がそれぞれ壇上に立ち、グループ誕生の経緯や取り組み内容について説明しました。



ワークショップ ~ 働く女性たちの白熱した2時間

続くワークショップでは、「キャリア開発」「エンパワーメント」「ワークライフ・バランス」「ネットワーク」の4テーマのうち一つを、1チームおよそ12人のグループが2時間かけて話し合い、最後にその結果を発表しました。「キャリア開発」をテーマにしたグループは、やりたい仕事とマネジメントとのバランスをどうとるか、目標設定をどう行うか、自分が本当にやりたいことをどう見極めるのか、などについて意見を交換。「エンパワーメント」のグループは、リーダーシップ発揮の観点から、個々の力をどのように引き出せるのか、それぞれバックグラウンドの違う人たちを効果的に動機づけるにはどうすればいいか、などについての具体策を提示しました。

「ワークライフ・バランス」のグループは、子育てを含むプライベートと仕事の両立や、オン・オフの気持ちの切り替え、仕事人間にならないために個人ができることなどについて議論。「ネットワーク」をテーマにしたグループは、意味のあるネットワークをどうつくっていくか、無理なくネットワークを継続するにはどうすればいいかについてディスカッションが行われ、企業内の次世代育成ネットワークや、今日集まったグループから会合を始めていくといった提案も出されました。各テーマの発表には、パネルディスカッションのパネリストがコメントを加えました。アキレス氏は「キャリアの節目にいるとき、立ち止まって発信し、他の意見を取り込んで決めていくと良い」、宮井氏は「焦らず人間力を磨いていけばリーダーシップを取れる。

ほめて伸ばすことが大事」、定塚氏は「長期労働は日本の問題、あきらめずに仕事を続けていってほしい。個人レベルで仕事のやり方を工夫し、企業も意見を上げていき、国は、ワークライフバランス憲章を2007年にまとめて取り組んでいく。今年がその元年」、佐渡アン氏は「日本だけに終わらせず、海外へもアンテナを伸ばしてほしい」と述べました。



閉会 ~ 女性の活躍が企業を支えていく

閉会には、HPのVice President, Human Resources, Asia Pacific & Japanのマイケル・ババキスが壇上に立ち「われわれがダイバーシティの追求を初めてから1年半が過ぎたが、日本でも変革が起きていると実感している。みなさんが変革の媒介となってチャレンジしていくことで、社会を変え、将来世代をも変えていく」と述べました。続いて、日本HP代表取締役社長執行役員の小田晋吾が挨拶。「一人ひとりの参加者がここから何かを持ち帰り、今日培われたネットワークを活用し輪を広げていくことを期待する。

国内外の企業が生き残りをかけてさまざまな経営課題に取り組んでいるが、中でも人材の育成・活用は急務である。女性を採用・育成・活用すると同時に、働きがいのある職場を構築することは、今後の企業活動を支えていくことになる。今日のサミットを一つのトリガーとしていきたい」と締めくくりました。最後に総合司会から、「今日一日を振り返って、明日からやりたい・やってみたいことを記録し、今後につなげて行きましょう」と述べ、閉会しました。